周辺は高い建物、低い建物、古いもの新しいものが混在、密集し雑多な街並みを形成。この白い小さな箱型の家は、この地域に新しい風を吹き込んでいます。
道路側には、塀、垣根、柵、門扉、シャッターなどの一切を設けずオープンスペースを設け道路と繋がり一体化をはかり狭小の用地に広がりを持たせました。敷地いっぱいに建てられた箱型の小さな家には1階にフリースペースがあり、街(公)が敷地内部に入り込むかたち。このフリースペースがあることにより街に対して閉鎖的でなく開いた、招く印象を与えています。フリースペースとその上部にある吹抜け、そして2階バルコニーが(内部)と(外部)、(家)と(街)を緩やかに繋げています。
周辺は、街灯が少なく、夜はとても暗い。リビングの大きな窓に設けた白いブラインドを照明の光が透過して、まるで大きな行灯のように、優しい灯りを歩道に落とす。歩道を歩く若いカップルがその灯りを眺めながら歩いていました。この住宅をきっかけに、若い世代の人達がこの地域に帰って来てくれればと思います。