この物件は、土地探しから始まりました。ようやく見つけた土地は、高蔵寺駅近くの保留地。予定していた地価よりも高くなってしまい、建物でコストを抑えることになりました。
敷地は、北側が道路に面し、他の三方は隣家が迫っている。間口が狭く奥行きのある細長い敷地。外からの視線を考慮し、風通しが良く、十分な採光を確保し、狭さを感じさせないこととローコストがテーマ。
キッチン、ダイニング上部の吹抜けは、光と風の通り道であり、家族の視線の通う場でもあります。また家族の気配を上下に伝える空間、さらに内部空間に立体的な流れをつくりだす役割も。この吹抜により、家全体が緩やかにつながり、広がりのある空間と豊富な光と風を獲得することに成功しました。
吹抜けにある大きなピクチャーウインドウ、これによって切り取られた空に流れる雲を眺めていると、ゆっくりとした、別次元の時間が流れ心を癒してくれます。光の効果は「明るい」だけではない。いつの間にか変っていく、光や影の位置に季節を感じたり、日の動きに合わせて、日なたぼっこの場所を移す。そんな光と遊ぶ暮らしができます。
ローコストを実現するために、総2階建てのシンプルな形。建具、家具、フローリングなどの塗装をお客さんに施工してもらいコストダウン。タイル、洗面ボウルやドアノブ、鏡など建材の一部をインターネットを利用し支給。また、外構工事は、芝生、枕木、砂、石などを近所のホームセンターで購入し友人らに手伝ってもらい完成しました。
「自分たちで施工するのは大変でしたが、実際にやってみると愉しいし、家づくりに参加しているという実感を得ることができました。」と大満足の様子。
「家づくりは、まだ完成していません、さらに住み心地良い家にしていくため、自分たちで手を入れていきます。次は庭のデッキと植栽です。」と話してくれました。家づくりの愉しみが尽きることのないシンプルな家、これからの経過が愉しみな家です。