この建物は高台にある新興の住宅地。東側は、伊勢湾その向こうには知多半島を望むことができます。
「東側の眺望を活かした開放感のある住宅にしたい」との要望。私自身、初めて敷地に訪れた時、この眺望が計画の中で最も重要であると考えました。そこで、リビングを眺めの良い東側へ、リビング上部に吹抜けを設けて、1階2階とも大きな窓とし、ダイナミックに風景を取り込んでいます。
吹き抜けは眺望だけでなく各個室をつなぐ役割を与えて、これにより、住宅全体が景色に対して開放的になるのではないかと考えました。吹抜けに沿って外側にはバルコニー、内側にはキャットウォークを設けました。玄関からリビング、階段、そしてキャットウォークと進む動線は、進むごとに機能と風景が変わり、いくつもの場づくりと関係をつくっています。
毎年夏になると、バルコニーとキャットウォークを使い、友達を呼んで伊勢湾に上がる花火を愉しんでいるそうです。